麦の収穫、田植えの準備、蚕の世話。作物や生き物が成長の節目を迎えると、農家は活気に満ち溢れ、「猫の手も借りたい」ほど大忙しです。
二十四節気 小満
5月20日 二十四節気8番目の 「小満」5月20日~6月4日です。次は6月5日の「芒種」です。
小満とは、あらゆる命が満ちていく時期。太陽を浴び、万物がすくすくと育つ季節。
梅雨を前に、麦は金色の穂を揺らし、収穫のときを今か今かと待ち、田んぼは田植えの準備に追われます。さらに育ち盛りの蚕には常に桑の葉を与えて世話をしなければならず、農家は「猫の手も借りたい」ほどの忙しさです。それを乗り越えてきたのは近所同士で助け合う「結」の関係です。
困ったときはお互い様。こうした助け相いの精神は、今なお日本に根付きます。
七十二候
初候
蚕起食桑 かいこおきて、くわをはむ 蚕が元気に桑の葉を食べ、成長するころ 美しい絹糸を紡ぐ蚕は「おかいこさま」とも呼ばれ、人々の生活を支えていた
次候
紅花栄 べにはな、さく 古代エジプト時代から染料として利用されていた紅花 辺り一面に紅花が咲くと、化粧の紅を採るための花摘みが始まる
末候
麦秋至 むぎのとき、いたる 黄金色に色付いた麦の穂が実るころ 麦にとっての実りの季節を「麦の秋」と名付けているのも日本人らしい感覚である
旬の物
食材
- 青梅
- ソラマメ
- ラッキョウ
- 根曲がり竹 別名 ヒラタケ
- シロゴス
- スズラン
- シジュウカラ
- テントウムシ
風物詩・習わし
- 早苗田(さなえだ)
- 貴船祭(京都貴船神社)
- 梅シロップ作り