中国式四柱推命には、
自然の理と天干同士の関係を、美しい言葉で表した四文字熟語があります。
珠玉陶洗も、そのひとつです。
一見すると難しそうな言葉ですが、
その意味はとても素直で、明るいものです。
珠玉陶洗とは
珠や玉は、もともと価値を持つ宝石です。
けれど、土や埃に覆われたままでは、その美しさは外に現れません。
陶洗とは、
土を落とし、水で静かに洗い清めること。
珠玉陶洗とは、
もともと備わっている価値や才能が、
よい環境やよい関係性によって、
自然に表へ現れてくる状態 を表します。
五行十干でみる珠玉陶洗
この言葉は、主に
辛(金)と壬(水) の関係をもとにしています。
辛は、宝石や貴金属。
壬は、大河や清らかな流れ。
壬の水は辛を傷つけることなく洗い、
辛は壬によって、その本来の輝きを増します。
ここには、
無理も、我慢も、対立もありません。
ただ、
相性のよいものが出会い、
互いの良さを引き出し合う
それだけです。
珠玉陶洗があらわすこと
珠玉陶洗は、
嫌な出来事を肯定する言葉ではありません。
苦労しなければ価値が出ない、
耐えた人が立派、
そういう意味でもありません。
むしろ逆で、
- その人が持つ資質に合った環境
- 才能を正しく扱ってくれる人
- 濁らない流れの中に身を置くこと
それによって、
努力が無理なく形になり、
美しさや才能が自然に発揮されていく
それが珠玉陶洗です。
己土濁壬との対比として
己土濁壬が、
「関わらないことで守られる関係」だとしたら、
珠玉陶洗は、
「関わることで、互いがより良くなる関係」。
どちらも自然の理であり、
優劣ではありません。
ただ、
自分がどこに身を置くかで、
運のあらわれ方は大きく変わる。
珠玉陶洗は、
自分の本質が濁らずに活かされる場所がある
ということを、
静かに教えてくれる言葉だと感じます。

