中国式四柱推命における格局判断の難しさ
中国式四柱推命では、格局判断が難しい命式に出会うことが少なくありません。
ここを間違えると、喜神・忌神の判断がすべて狂い、結果として運命の読み取りが真逆になってしまうこともあります。
身弱の内格、身強の内格と明確に分かる命式もあれば、
外格寄りに見えるものの、本当に外格として扱ってよいのか迷う命式もあります。
とくに瀬戸際にある命式では、一方向からの判断では足りず、
さまざまな角度から慎重に検証する必要があります。
格局判断が分かりにくい命式は確かに存在しますが、
そこを見極めていく過程こそが、中国式四柱推命の醍醐味とも言えるでしょう。
今回は、格局判断が分かりにくい代表的な例として
「印多身弱」を取り上げてみたいと思います。
印多身弱とは、印星が過剰に強い命式
「印多身弱」という言葉を、聞いたことのある方も多いかもしれません。
印多身弱とは、比劫を含む他の通変星と比べて、
印星だけが際立って強い命式を指します。
比劫が弱いため、「身弱の内格」と誤って判断してしまうことがあります。
一方で、比劫を生じる印星が多いことから、「身強の内格」と誤解される場合もあります。
また、印星が多い命式には「従強格」も存在するため、
この点でも混同が起こりやすくなります。
格局判断では、特に注意が必要なタイプです。
印多身弱の喜神・忌神をどう考えるか
印多身弱と、一般的な身弱の内格では、
喜神・忌神の取り方がまったく異なります。
印多身弱の命式では、印星や比劫は喜神にはなりません。
印星が強いこと自体は一見良さそうに見えますが、
比劫があまりにも弱いため、これ以上印星で比劫を生じさせても、
比劫がそれを受け止めきれない状態になっているのです。
たとえば、比劫が乙で、印星が壬だった場合を想像してみてください。
もともと弱い乙が、過剰な水にさらされれば、流されてしまいます。
あるいは、教師が大勢いるのに、生徒が1~2人しかいない教室を思い浮かべてみてください。
その状況で、生徒がのびのびと力をつけられるでしょうか。
このように、印多身弱の命式では、
比劫を印星で強めることによってバランスを取ることができません。
役に立たないほど過剰な印星が、喜神になることはないのです。
したがって、印多身弱の命式では
印星は忌神となります。
この点は、特に注意が必要です。
印多身弱における喜神の考え方
印多身弱は、あくまで身弱の命式です。
しかし、印星で比劫を強めることができないため、
喜神の取り方が独特になります。
この場合、
・比劫を直接助ける五行十干
・印星を弱める五行十干
が、喜神となります。
ややこしく感じるかもしれませんね。
印多身弱が最も嫌う通変星は印星です。
そして、その印星を弱める通変星が財星になります。
つまり、
財星は喜神
印星は忌神
となります。
食傷や官星については、
命式の天干との干合関係を含めて、一つ一つ丁寧に検証していきます。
多くの場合、食傷か官星のどちらかが喜神となることが多いでしょう。
格局判断で迷ったら
格局判断は、中国式四柱推命の中でも特に難しく、
同時に最も奥深い部分でもあります。
もしご自身の命式の格局判断で迷われている場合は、
一人で抱え込まず、ぜひご相談ください。
命式の個性に合わせて、丁寧に読み解いていきます。


