埋金(まいきん)

四柱推命の基本

中国式四柱推命で格局判断が難しい理由とは

中国式四柱推命では、格局判断が難しい命式が少なくありません。
ここを誤ると、喜神・忌神がすべて逆転し、結果として運勢の読みも真逆になってしまいます。

特に、

  • 日干の五行十干
  • 隣り合う干(年干・月干・時干)との関係
  • 全体の五行バランス

これらが複雑に絡み合う命式では、単純な身強・身弱判断だけでは足りず、格局の見極めが非常に重要になります。

この格局判断こそが、中国式四柱推命の難しさであり、同時に最大の醍醐味とも言える部分です。

今回は、格局判断が分かりにくい代表的な例として
**埋金(まいきん)**を取り上げます。


埋金(まいきん)とはどのような命式か

埋金という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。

埋金とは、
金(庚・辛)の日干が土(戊・己)によって埋もれてしまう状態を指します。

金を埋めるのは、もちろん土です。

埋金と判断されやすい条件

次のような条件が重なったとき、埋金の可能性が出てきます。

① 土(戊・己)が、日干金(庚・辛)の隣にある
(特に月干・時干に位置する場合)

② 日干の金よりも、土の力が強い命式であること

ここで重要なのは、
単に土が隣にあるだけでは決めつけないという点です。

日干の強さ、季節、他の五行とのバランスを含めて、
慎重に全体を見て判断する必要があります。


埋金はどのような格局になるのか

埋金は、身弱の内格に分類されます。

一般的に、身弱の内格では

  • 印星
  • 比劫

が喜神とされることが多いです。

しかし、埋金の場合はここが大きな落とし穴になります。


埋金の喜神・忌神の考え方

埋金では、
日干は金、印星は土になります。

一見すると印星が助けになりそうですが、
印星である土が強すぎると、金はさらに埋もれてしまいます。

これは、いわゆる
印多身弱と同じ状態です。

埋金の場合の基本的な考え方

  • 印星(土)
     → 強すぎるため忌神
  • 比劫(金)
     → 日干を助けるため喜神

さらにもう一つ重要なのが、

  • 財星
     → 印星(土)を剋するため喜神

という考え方です。

つまり、
比劫で金を強め、財星で過剰な土を制御する
これが埋金の基本的な喜神構成になります。


格局判断で必ず確認したいポイント

埋金の判断では、次の点も必ず確認します。

  • 天干の干合・剋関係
  • 地支の蔵干の影響
  • 季節(旺衰)
  • 全体の五行の偏り

これらを無視してしまうと、
同じように見える命式でも、まったく違う判断になることがあります。


格局判断に迷ったときは

格局判断は、中国式四柱推命の中でも最も経験と知識を要する部分です。
独学では迷いやすく、判断がブレやすいポイントでもあります。

ご自身の命式や、鑑定での格局判断に不安がある方は、
一度、第三者の視点で丁寧に確認することをおすすめします。


次回は、同じく判断が難しい
**沈金(ちんきん)**について解説します。

中国式四柱推命ならではの視点で、
埋金との違いも含めてお伝えしていきますね。