陰陽五行説は日本文化と深く関わっている
陰陽五行説とは、元々は別々の思想だった「陰陽説」と「五行説」が結びつき、調和した形で広まったものです。中国から日本へ伝わると、日本文化の隅々に浸透し、生活様式・しきたり・感性・言葉選びにまで大きな影響を与えています。
私も陰陽五行説に深く興味を持ち、『現代に生きづく 陰陽五行』という本に感銘を受けました。ここでは、その学びの一部を少しずつお伝えしたいと思います。
高尚なイメージを持つ「紫色」とは
紫色は「貴人の色」として古くから知られています。
ただし、数千年前の中国で象徴された“紫”は、現代の青+赤ではなく、赤+黒 を混ぜたような深く暗い紫色でした。
そのため、華やかさよりも「奥ゆかしさ・重厚さ」を象徴していました。
陰陽五行説で言う「五色」とは
五行(木・火・土・金・水)にはそれぞれ色が割り当てられます。
- 木 → 青
- 火 → 赤
- 土 → 黄
- 金 → 白
- 水 → 黒
この5つは「正色(せいしき)」と呼ばれ、陰陽五行の世界ではとても重要な基本概念です。
今後もよく登場するため、ぜひ覚えておいてくださいね。
色と季節の関係(陰陽との結びつき)
陰陽五行では、季節にも陰陽が割り振られています。
- 春:陽中の陰(木・青)
- 夏:陽中の陽(火・赤)
- 秋:陰中の陽(金・白)
- 冬:陰中の陰(水・黒)
そして中心にあるのが 太極(たいきょく)=宇宙そのもの。
紫色が象徴するもの
紫色は「黒+赤」で生まれる色
- 黒=冬=陰中の陰
- 赤=夏=陽中の陽
つまり紫色は 陰と陽の極み を象徴する色。
これはまさに「太極(陰陽融合の境地)」そのものを表す色といえます。
深さと高貴さを併せ持つ理由も、この陰陽の両極がひとつに溶け合っているからです。
「太極」とは何か
太極とは、古代中国の老子が示した道教の中心概念です。
- 陰と陽という相反するものが、
- 互いに補い合い、
- 絶えず変化しながら、
- 万物を生み出している状態。
自然界・人間社会・宇宙の大きな調和の原理を示しています。
色と季節が日常の言葉にも生きている
実は、私たちが普段何気なく使う言葉にも陰陽五行が生きています。
- 青春(春=青=木)
- 白秋(秋=白=金)
白秋は「色を持たない澄んだ白」のイメージで、寂しさ・静けさ・深まりゆく季節感を表しています。
色と季節が結びつくことで、言葉の情緒が豊かに感じられるのも、陰陽五行説の魅力です。
まとめ:色と季節を知るだけで世界が変わる
陰陽五行説は、私たちの日常や文化の中に静かに息づいています。
季節・色・自然の動きを重ねてみるだけで、見える景色が変わり、心の深いところに響いてきます。


