火の次の五行である「土」は、戊(つちのえ/陽の土) と 己(つちのと/陰の土) の2種類に分かれます。
同じ「土」でも、性質も役割もまったく違う世界観をもちます。
■ 戊(つちのえ)
陽の土。山岳・堤防など、どっしりとそびえる大地。
● イメージ
戊はそびえ立つ山。遠くからでも目に入り、たくさんの人が頂を目指して登ってくる象徴です。
気候の良い時期には、鳥も動物も木陰に集い、みんなの憩いの場になります。
● 戊の長所
- 堂々・悠然としていて大らか
- 信念が固く、軸がぶれない
- 物事をしっかり基礎固めしてから取り組む
- 約束を守り、責任感が強い
- 義理人情に厚く、人々の相談役になる
- 大地のように、たくさんの人を受け止める懐の深さ
● 戊の短所
- 落ち着きが、動かない・お任せ体質と受け取られることも
- 土の気が強すぎると、高慢・自己中心に見える
- 頑固で頭が固くなることも
- まっすぐ過ぎて、柔軟性や面白みに欠けることがある
■ 己(つちのと)
陰の土。田畑の湿った土・栽培と収穫を司る豊かな土壌。
● イメージ
己は田んぼや畑の土で、人を育てて実らせる役割。
お世話が好きで、相手の成長そのものが喜びになるタイプです。
● 己の長所
- 人を育てることが得意
- 家庭的で穏やか、優しい
- 多芸多才で、器用でそつなくこなす
- 細やかに動き、相手をサポートする
- 外見はシンプルでも、内側には複雑な繊細さを持つ
※陰干(乙・丁・辛・癸)は、全般的に手先が器用な傾向があります。
● 己の短所
- 行き過ぎると「お世話のしすぎ」に
- 収穫まで見届けたい気持ちが強く、しつこくなることも
- 優柔不断・迷いやすい
- 湿土ゆえに崩れやすく、心も揺れやすい面がある
■ 戊と己の違い(わかりやすく)
| 性質 | 戊(つちのえ) | 己(つちのと) |
|---|---|---|
| 種類 | 陽の土 | 陰の土 |
| 自然像 | 山・堤防の土 | 田畑・湿った土 |
| 性格像 | 大らか・堂々 | 穏やか・細やか |
| 役割 | 受け止める大地 | 育てる土壌 |
| 行動 | 動きは少なく、どっしり構える | こまめに動き、お世話好き |
| 心の傾向 | 頑固・揺れない | 迷いやすい・揺れやすい |
| 強さ | 固い・崩れない | 湿っていて崩れやすい |
同じ「土」でも、
● 戊=動かず受け止める山
● 己=育てるために動く畑
という大きな違いがあります。


