通変星 比劫(ひごう)

通変星

通変星|比劫とは何を表す星か

通変星の「比劫(ひごう)」は、
比肩(ひけん)と劫財(ごうざい) の2つをまとめた呼び方です。

比劫は、
自分自身・自我・主体性 を表す通変星です。


比劫とはどんな通変星か

比劫は、
日干(自分)から見て「同じ五行の相手」
にあたる通変星です。

通変星の流れで見ると

比劫 → 食傷 → 財星 → 官星 → 印星

つまり、比劫は
通変星のいちばん起点となる星であり、
すべての読みの基準になります。


五行別・比劫の対応

比劫が木 → 比劫は木
比劫が火 → 比劫は火
比劫が土 → 比劫は土
比劫が金 → 比劫は金
比劫が水 → 比劫は水

比劫は
日干そのものを表すため、
必ず自分と同じ五行になります。


比劫とは何でしょうか(意味の整理)

日干から見て、
同じ五行を表す干を「比劫」と言います。

「比肩」は
肩を並べる、という意味を持ち、
日干(自分)と
同質・同レベルの存在を表します。

そこから比劫は

  • 自分自身
  • 同じ立場の友人
  • 仲間
  • 兄弟姉妹
  • 同年代・同等の知人

などを象徴します。


比劫のよい表れ方

比劫が喜神の場合

比劫がよい面として表れると、
自我が健全に確立されます。

  • 意志が強くなり、意見をはっきり言える
  • 独立心・自立心が高まる
  • 新しいことに挑戦しようとする意欲が出る
  • 困難に負けない粘り強さが生まれる

また

  • 人生の目的を定め
  • そこに向かって邁進する力

が出てきます。

天干に比劫がある場合は
身近な人からの助力を得やすい傾向があります。

さらに

  • 専門性を持って努力を積み重ねられる
  • 人とのよい出会いに恵まれる

といった形で表れることもあります。


比劫の悪い表れ方

比劫が忌神の場合

比劫が忌神として働くと、
自我が強く出過ぎる傾向が見られます。

  • 自分本位な言動を取りやすい
  • 自分の意見に固執する
  • 人の意見を聞かず、自己主張ばかりになる

その結果

  • 周囲との摩擦が増える
  • 組織の中で働くことが難しくなる

といったことも起こりやすくなります。

また

  • 人とのよい縁を逃す
  • 兄弟姉妹や友人から金銭的な迷惑を受ける

といった点にも注意が必要です。

さらに
喜神である財星を剋してしまうため、
財運が安定しにくい場合もあります。


比劫が強すぎて困っている方へ

比劫は
自分自身を表す星です。

そのため、比劫が強い人は
良くも悪くも
自己主張がはっきりしています。

自尊心が強く、負けず嫌いなため
「押してダメなら引いてみる」
という柔軟さが出にくいこともあります。

ただ
意見というものは
受け取ってもらえてこそ意味があるもの。

自己主張が強すぎると
空回りしてしまうこともあります。


比劫の強さは「間違い」ではない

比劫が強い方は

  • 自分の実力
  • 自分の努力

によって、これまで多くのことに挑戦し、
結果を出してきた
自負と自信を持っています。

だから
やみくもに自我を通しているわけではありません。

「自分は間違っていない」
という感覚が、
その人を動かす原動力になっていることも多いのです。


まとめ|比劫は「すべての起点となる星」

  • 比劫は日干そのもの
  • 自我・主体性・生きる力を表す
  • 喜神なら自立と推進力
  • 忌神なら独りよがりになりやすい

四柱推命は
バランスの学問です。

比劫が強すぎて困っていると感じる方は、

  • 自分は人より力が強い
  • みんなが同じではない

ということを
頭の片隅に置いてみてください。

それだけでも
周りを見る余裕が生まれ、
比劫の強さは
いつか必ず武器になります。