5月上旬になると、光や風、自然の色が力強さを増し、夏の気配が少しずつ濃くなってきます。夏と言われてもまだ少し、ピンとこないのは、昔の人の敏感な感性で自然の変化を感じ取っていました。春の季節の中に夏が少しずつ入り込んでいることを肌感覚でしっかりととらえていたのです。
旧暦は季節の先取りのように感じられます。だから、ニュースでは「暦の上では夏です。」のような巻頭句を付けて違和感をなくしているのだと思います。
二十四節気 立夏
5月5日 二十四節気7番目の 「立夏」5月5日~5月19日です。次は5月20日の「小満」です。
優しかった春の日差しは少しずつ力強くなり、いよいよ夏が始まります。草木の緑色は一層色濃くなり、どこか冷たさを含んでいた風は心地よさを増し、生き物たちは活発に活動を始めます。
古来より日本人に愛され、万葉の歌にも多く詠まれてきた藤の花が咲き誇り、蜜蜂がせっせと花粉を運びます。活気付く自然の様子に思わず心も弾みます。
七十二候
初候
蛙始生 かわず、はじめてなく 春先に冬眠から目覚め、まだ寝ぼけていたカエルたちもウォーミングアップを終え、元気に活動を始める
次候
蚯蚓出 みみず、いずる マイペースなミミズは、他の生き物に比べると少し遅れて目覚める
末候
竹笋 たけのこ、しょうず すくすくと成長し、立派な若竹になるタケノコは健やかさの象徴
旬の物
食材
- 新ニンジン
- 新ジャガイモ
- イチゴ
- タケノコ
- 夏ミカン
- アシタバ
- ホタテ
風物詩・習わし
- 鵜飼い(岐阜長良川)
- 葵祭(京都三大祭りの一つ)
- 三社祭(東京三大祭りの一つ)