四柱推命の十干には、それぞれ自然界の象意があります。
同じ「木」の五行でも、
甲(きのえ)は「陽の木」
乙(きのと)は「陰の木」
とされ、その性質には大きな違いがあります。
甲は、大地に根を張って空へ伸びていく大きな樹木。
乙は、草花やつる植物のような、やわらかくしなやかな植物。
同じ「木」なのに、自然界の姿を思い浮かべてみると、陽と陰の違いがとてもよく見えてきます。
甲 まっすぐ上へ伸びる大木
大きな木を見上げると、太い幹を持ち、空に向かってまっすぐ伸びています。
甲もそれと同じように、上へ上へと成長していこうとする性質を持っています。
一度「こちらへ行く」と決めれば、その方向へまっすぐ進んでいく。
大木のようなどっしりとした強さがあり、自分の軸を持って進もうとします。
大きな木が長い年月をかけて少しずつ高くなっていくように、甲もまた、目標に向かって成長していくことを大切にする性質なのだと思います。
大木だからこその強さと弱さ
けれど、大きく立派な木にも弱いところがあります。
太い幹を持つ大木は、簡単には曲がりません。
普段は少々の風が吹いても、どっしりと立っています。
ところが、とても強い台風が来たときにはどうでしょう。
しなやかに曲がることができないため、強い力をまともに受けて、枝や幹が折れてしまうことがあります。
まっすぐであることは甲の強さですが、そのまっすぐさが、ときには弱さになることもある。
自然界の大木を見ていると、そんな甲の姿が重なります。
乙 しなやかな草花
一方、乙は草花やつる植物にたとえられます。
大木のような太い幹はありません。
風が吹けば揺れ、何かに触れれば形を変えます。
一見すると甲より弱そうに見えるかもしれません。
でも草花には、大木とはまったく違う強さがあります。
強い風が吹いたとき、草は風に逆らわず、しなやかに身を倒します。
そして風が過ぎれば、また起き上がります。
折れないために、曲がることができる。
ここに乙の強さがあります。
乙は、仲間と一緒に咲く
大木は一本でも堂々と存在しています。
けれど草花は、一輪だけというより、たくさん集まって咲いている姿をよく見かけます。
小さな花があちらこちらに咲き、草やつるが周囲の植物と一緒になって広がっていく。
そんな姿には、甲とは違った生命力があります。
乙も、人との関係の中でしなやかに動きながら、自分の居場所を見つけていく性質があります。
一人で大きく立つというより、周囲と関わりながら一緒に伸びていく。
そんな姿が、草花によく似ています。
踏まれても、また伸びていく
草は踏まれることがあります。
上から押さえられ、倒れてしまうこともあります。
それでも根が生きていれば、また伸びてきます。
大木のような迫力はなくても、簡単にはなくならない。
このしなやかさと、粘り強い生命力も、乙の大きな特徴ではないでしょうか。
甲の強さが「まっすぐ立つ強さ」だとしたら、乙の強さは「形を変えながら生き続ける強さ」と言えるのかもしれません。
同じ木でも、陽と陰ではこんなに違う
甲と乙は、どちらも五行では「木」です。
けれど、その姿はずいぶん違います。
甲は、空へ向かってまっすぐ伸びる陽の木。
乙は、周囲と関わりながらしなやかに伸びる陰の木。
どちらにも、それぞれの強さがあります。
四柱推命でいう「陽」と「陰」は、単に明るい・暗いという意味ではありません。
同じ五行であっても、陽と陰によって、その性質や現れ方はこんなにも違います。
自然界の木や草花を眺めながら十干を考えてみると、甲と乙の違いが、とても身近に感じられるのではないでしょうか。

