大相撲はいつから国技になったのか
陰陽五行説から読み解く相撲の世界
大相撲初場所は、毎年1月に東京・両国国技館で開催されます。
日本の伝統文化として親しまれている相撲ですが、そもそもいつから国技と呼ばれるようになったのでしょうか。
相撲が国技となった背景
相撲は古代より神事や祭礼と深く結びつき、時代ごとに社会的・政治的な影響を受けながら発展してきました。
明治42年6月2日、常設相撲場として両国国技館が落成したことを機に、相撲は「国技」と位置づけられます。
これにより、相撲は単なる競技ではなく、日本独自の精神性と伝統を備えた文化として確立されました。
相撲と陰陽五行説の深い関係
相撲には、陰陽五行説と重なる要素が数多く見られます。
普段は気づかずに観戦していても、その背景を知ることで、相撲の奥深さをより味わうことができます。
相撲の土俵に込められた宇宙観
相撲の土俵は四角形で造られています。
この四角形は大地=陰を表し、東西南北の方位を正確に示しています。
一方、土俵の内側に描かれた円は天=陽を象徴しています。
土俵そのものが、天地陰陽の調和を表す空間となっているのです。
四柱と房の色が示す方位と五行
かつて土俵には
丑寅柱
辰巳柱
未申柱
戌亥柱
の四柱が立てられていました。
しかし、観戦の妨げになるという理由から柱は取り除かれ、現在は代わりに四色の房が吊るされています。
丑寅は東北
辰巳は南東
未申は西南
戌亥は北西
を表します。
現在の房の色は
青
赤
緑
白
ですが、五行に配当される色
青 木
赤 火
白 金
黒 水
とは完全には一致していません。
それでも、方位と自然の気を象徴する意味は今も土俵に受け継がれています。
行司の軍配と「ハッケヨイ」の意味
行司が手にする軍配には、月と太陽が描かれています。
月は陰、太陽は陽を表し、陰陽の調和を象徴しています。
また、行司の掛け声
ハッケヨイ 残った
は、易の八卦に由来するといわれています。
八卦は
東
西
南
北
東南
南西
北西
北東
の八方位を表します。
四方八方が整い、丸く収まる状態
すなわち天下泰平
この願いが「ハッケヨイ」という言葉に込められているのです。
四股に込められた浄化の意味
力士が踏む四股には、邪気を払い土地を清める意味があります。
これは陰陽道の呪法である**反閇(へんばい)**に由来します。
反閇とは、陰陽師が呪文を唱えながら大地を踏みしめ、千鳥足で歩くことで結界を張る作法です。
平安時代以降、天皇や将軍、貴族の外出時にも行われ、悪い方角を踏み破る意味を持っていました。
受け継がれる陰陽道の影響
平安時代から明治時代末期にかけて、陰陽師は国家や天皇を守る重要な役割を担っていました。
吉凶を占い、結界を張り、目に見えない秩序を整える存在だったのです。
相撲の所作一つひとつには、そうした時代の思想と精神性が今も息づいています。
陰陽五行を知ると相撲はもっと面白い
相撲は、勝敗だけを楽しむ競技ではありません。
陰陽五行説や方位、自然観と結びついた視点で見ることで、土俵は一層奥深い世界へと変わります。
次に相撲を観戦するときは、
天地の調和
方位の意味
所作に込められた祈り
にも、そっと意識を向けてみてはいかがでしょうか。
きっと、これまでとは違った相撲の魅力が見えてくるはずです。


