豆まきと陰陽五行

二十四節気
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二十四節気 節分(せつぶん)

2月3日は、「節分」です。
スーパーに行けば必ずと言っていいほど、店頭には豆まき用として大豆が並んでいます。それを見て、「そろそろ節分なんだな。」と思い出し、豆でも買っておこうかと言う方も多いことでしょう。

節分を立春の1日前、節分の翌日が立春だと思っている方も多いことでしょう。私も、そうでした。豆まきが終わると暖かい春の到来と思い、うきうきした気分になるものです。

しかし、実は本来の意味は違うようです。もう、おなじみであろう陰陽五行にも関係がありそうです。

それでは、「節分」の由来について、探っていきましょう。

餅まきと陰陽五行

☆まずは、餅まきにについてです

昔からお馴染みの餅まき。家を建てるときに、「建前」(たてまえ)のときに、お餅、お菓子、和紙に包んだ小銭等を屋根の上からばらまく風習があります。私の地域ではそうですが、全国的にどうかは不明です。

主に屋根の上に乗りまく人はその家の家長です。家長は必ず男性です。

女性がこの儀式に関われない意味は、元を正せば陰陽五行説の影響を受けている、五行相性・五行相剋・易にあるとのことです。

☆餅まきの餅は五行の金を表します

餅は「五行の金」を表します。

餅 形:円形 色:白(現在は紅色もあります) 円形も白色も、五行配当の「金」を司ります。

「金生水」 五行相性説で述べましたが、金は水を生み出します。

☆火封じの呪(しゅ)

ここで、日本家屋について説明します。日本は高温多湿、地震多発の風土です。これに適するのは木造建築です。つまり、五行の「木」に配当されます。五行相剋説にあるように、「火剋木」で、火が木を燃やします。火事から家屋を守る必要があるのです。そこで、「水剋火」が登場します。火から木を守るためには、水のエネルギーを増すことが大切なのです。丸くて白い餅=「金の力」を使って、火を封じ「水」の力を増そうとする古代の考え方、まさに陰陽五行説が元になっています。

また、「火剋金」ですので、金の力を弱めないようにするために、火であぶってお餅を食べてはいけないとされているのですね。

しかし、家屋である「木」のエネルギーは残しておきたいです。「金剋木」ですから、最終的に「木」の力が減らないようにしなくてはなりません。そこで、「金」である餅を食して、「金」を封じ込めるのです。

また、硬貨も円形で「金」を表します。だから、拾った小銭もお餅と同様に、なるべく速やかに使って「金」を封じ込める方がよいようです。

まさに、建前の餅まきは、陰陽五行の思想を用いた智恵なのです。

豆まきと陰陽五行

節分とは、一年を4つに区切ることで、本来は、立春、立夏、立秋、立冬と一年に4回巡ってきます。節分は立春をさすものと思いがちですが、実は4回あったのです。

ただ、立春のときの節分にだけ豆まきが行われるので、立春前=節分という構図が出来上がったようです。節分も陰陽五行の理論に則って行われる儀式の一種であることが分かります。

五行配当により、春=木 夏=火 秋=金 冬=水 土用=土 と振り分けられます。

立春の春は五行の木に属し、「木剋金」で木にとって相性の悪い五行は金です。

そこで、快く春を迎えるためには、「木」を剋す「金」を封じる必要がありました。

豆は丸いので金を表し、「火剋金」で金を剋すことにしました。火で豆を炒めて投げ付けることで、金封じができます。

陰陽五行の風習が豆まきにもあったのです。