二十四節気 立春
2月4日「立春」が巡ってきました。2月4日~2月18日。
二十四節気が一巡して、旧暦では新しい年の始まりです。
梅の花が咲き始め、少しずつ春の兆しが現れ始めます。節分の翌日に迎える春分は、冬から春に移る時期です。厳しい寒さも立春まで。少しずつ日足が伸び、気温が上がり始め、木々は芽吹き、生き物たちも目覚めのときを待ちそわそわしています。
立春以降、最初に吹く強い南風を「春一番」と呼びます。
春が立つと書いて「立春」 きれいな言葉です。
「春が立つ」のイメージは人それぞれだと思います。江戸時代に作られた暦便覧(暦の解説書)には、「春の気立つをもってなり」とあり、立ちのぼってくる春の気配を感じ取ることのようです。
目には見えない物を「立つ」と表現する繊細さが好きです。
二十四節気の起源は紀元前4世紀(中国の戦国時代のころ)の中国にあります。その時代には王が君臨し、人間界の様々なこと、星々の運行から季節の巡りまで、すべてを支配すると考えられていました。そのため、春も勝手にやってくるものではなく、「この日から春だ」と王が宣言して決めていたそうです。つまり、「春が立つ」のではなく、「春を立てる」と言う意味合いがあったので、「立春」となり、「春立」ではなかったとのことです。
日本人は日本人の感性で、とらえるように変化したのだと思いました。
そのような感性で2月をとらえると、2月を衣更着(きさらぎ)と呼ぶのも素敵だなと感じます。まだ残る寒さを感じ、衣を重ね着する。(更に着る)と言う意味ですから、
二十四節気とは別に、「如月」(じょげつ)のような月の呼び名も中国から伝わってきました。日本に入ってから、「きさらぎ」という読み方に変わり、衣更着と言う和風月名が使われるようになりました。音読みよりも訓読みの方が日本文化と風情を感じますね。
七十二候
初候
東風解氷 はるかぜ こおりをとく
東から温かい風が吹き始め、張り詰めていた厚い氷を溶かし始めるころ。
次候
黄鶯睍睆 うぐいす なく
春の訪れを告げる「ホー ホケキョ」という美しい鳴き声。
最初に聞くウグイスの声を初音(はつね)と言う。
末候
魚上氷 うお こおりをいずる
温かさを感じ始めた川の魚が動き始め、割れた氷の下から飛び出すような時期。地域によっては渓流釣りが解禁となる。
旬の物
食材
- フキノトウ
- 伊予柑
- 葉ゴボウ
- トラフグ
- 八朔
植物・生き物
- ウグイス
- メジロ
- アセビ(馬酔木)