五行説の体系化1

陰陽五行説
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五行とは何ですか?

五行の由来は何ですか?

中国式四柱推命にも日本式四柱推命にも、「五行」と言う言葉はよく登場し、「木・火・土・金・水」と言う5つの要素であることは、皆さんも知っていることでしょう。このブログにも記載しました。

さて、この五行の由来が少し気になるところですので、調べてみました。

中国の古典文献の中でも非常に重要な位置を占めている『書経』(しょけい)は、主に儒教の教義と中国の政治哲学に影響を与え、周の時代の政治道徳を記録した書物です。別名「尚書」(しょうしょ)と呼ばれます。

『書経』を構成する一篇に「洪範」の中で、殷(いん)の箕子(きし)は、五行を「水火木金土」の順で揚げて語っています。

ここで注目すべきは、最初は、五行相生(木火土金水)五行相剋(木土水火金)と言う概念が存在していなかったと言うことです。

五行の「五」は何を指すのですか?

五行の「五」は、元々どんな意味を持っていたのでしょうか。

『書経』の一篇を構成している「禹貢」(うこう)と「左伝」(さでん)から探っていきます。

「禹貢」 六府(ろっぷ)と言う言葉が載っています。

     「六」は五行+穀を合わせた数

     「府」は倉を意味する

     「六府」天が人間に与えた、人間の生活を支え養う意味

「左伝」 五行を「五材」と表している。5つの材料と言う意味で、人間生活に必要な5つの材料

☆元々「五」には、人間が生活を営む上での欠かすことのできない材料や道具が5つあると言うことを表しています。今の五行説の5つの要素と言うとらえ方はしていませんでした。

五行の「行」は何を指すのですか?

「行」には、巡り巡って変化すると言う意味があります。また、利用する、行う等の意味も含まれます。

「五行」についてまとめます

五行の「五」は水火木金土を指し、五気・五材とも呼ばれ、人間にとって必要な材料・道具・倉の類だった。その水火木金土が天上と言う空間を絶え間なく駆け巡り、この五気を天が人間に与えることで、人間は五気を材料・道具として生活に役立てることができると言う意味が五行には込められている。

現代に息づく陰陽五行

五行説(ごぎょうせつ)の体系化

十干について

古来より中国では、十干を使って日にちを数えていました。

古来中国では、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸を十干と呼び、こうおつへいていぼきこうしんじんきと呼んでいました。十干がワンセットで10日分の日数を数え、それを3サイクル数えると30日で一か月としていました。

このように、日を数える手段として、元々十干は使われていました。

五行説について

五行説は、十干とは別々に存在していました。

本来、十干と五行説との間には関係はありませんでした。実は、無理やり五行に十干を五行を配当し融合したのです。五行説は十干と言う日の流れを味方に付けることで、広がることができたのです。

広がりを持った五行説

四時(しじ)も取り入れていった五行説

五行説は、勢いを持ち、もっと広がりを持つようになりました。それは、四時(春夏秋冬)を五行説の中に組み込んだのです。

土用(どよう)とは何ですか?

春を木 夏を火 秋を金 冬を水に割り振り、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間~19日間を土に配当しました。そして、その日を土用と名付けたのです。

季節の移り変わりをも表せるようになった五行説

五行説は、単独で存在していたところから、十干を味方に付け、次は四時をも取り入れ、その存在を広げることで、「時」「季節」までも支配することになりました。

五行説は人間を拘束する強力な武器を手に入れたことを意味するのである。

現在に息づく陰陽五行

「場所」までも取り入れた五行

東西南北という方位までも五行説に取り入れました。

方位五行
 東  木 ☆五行説は、人間が自分の意志で動かすことのできない
 「時」と「空間」を取り込むことに成功したのである。
西☆そのため、諸侯をはじめ多くの一般的な人々の支持を集め、
 ある種、信仰のような役目を担うようになっていったのである。
中央

五行説は、現代では「木・火・土・金・水」と言う(順番である)五行相生説が用いられています。これは、様々な森羅万象が宇宙の循環と言う摂理に基づいているからだと考えられます。